谷口悟朗

Last-modified: Mon, 13 Jan 2020 18:49:47 JST (1566d)
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[Goro Taniguchi]

本作品の監督。

近時の関与作品

  • 監督作品
    1. 無限のリヴァイアス(1999年)
    2. スクライド(2001年)
    3. プラネテス(2003年)
    4. ガン×ソード(2005年)
  • 監督以外で関与した主な作品
    • サラキ(1998年):副監督
    • 舞-HiMEプロジェクト(2004-2006年):クリエイティブプロデューサー
    • SoltyRei(2005年):企画協力
  • 出演
    • バンブーブレード第11話(友情出演)

その他の詳細な経歴はWikipedia参照

本作品における制作姿勢

谷口の持論として、アニメは娯楽でなければならない、という考え方があり、本作でもそれが貫かれている。アニメで政治思想的な色を濃く出すとされる竹田菁滋プロデューサーが関与していることで、一部からは反米思想的アニメと批判されたが、インタビュー記事にて自身の政治的主義主張を込めるつもりは全くなく、あくまでエンターテイメントに徹するという考えを明らかにした。中盤をすぎた頃には、別のインタビュー記事で更にはっきりと、アメリカをはじめとした現実社会の組織・出来事との関連性を否定した。

また、本作ではそれまでの手法を半分捨て、新しい手法で制作していくという。一つのジャンルに縛られず、ルルーシュという人物を通したピカレスクロマン的な形で進む物語は、些末な設定よりも勢いを重視し、あらゆる要素を総合して視聴者の感情を揺さぶるものを目指している。

物語に対する考え

本作では、あくまでルルーシュという少年が中心となっており、もう一人の主人公とされていたスザクも、重要なキャラの一人に過ぎないという。また、黒や白という対比についても営業のキャッチコピーと割り切っており、谷口自身は制作側でどちらが善か悪か、白か黒か決めつけることを嫌う*1

また、前述の通り谷口はアニメに自身の主義主張を込めることを嫌っており、政治劇や血生臭い描写も、視聴者層を意識した上でのエンターテイメント要素に過ぎないとする。土6から深夜枠に移動した際に根本から脚本を作り直したとされるエピソードも、視聴者層が大きく変わったことによるものであり、旧来言われていた竹田プロデューサーの介入はさほど大きな影響力を持っていなかったと思われる。

「CLAMP絵」の採用

本作でCLAMPにキャラクター原案を依頼したのは、作品全体に「華」が必要であると感じたためであるという*2。谷口はそれまで自身に「高い頭身」を封じていたが、CLAMPに原案を任せるにあたってその封印を解いた。俗にCLAMP絵と言われるキャラクターの不自然な頭身バランスや、そうした絵柄を採用した事への批判も、谷口の思惑通りだったと言える。

現場での評価

とにかく厳しいらしい。スタッフからは大河内と並んで「黒い」と評され、田中一成(玉城役)は「そんなこと言ってると殺しますよ?」と言われたりするらしい。ただし、優しいところもあるとか無いとか。

また、谷口が自身の本業を演出と解していることもあってか、アフレコに関しても徹底した作り込みの姿勢が見られる。モブについてアドリブではなく細かいセリフが用意されているほか、他愛ないセリフについても山のような設定資料を用意し、テストごとにかなり長時間に渡って演技指導を行ったりしている。そして本人のプロ意識が強いためか、声優に対して難しい注文を付ける際には「プロなんだから」と言ってお願いすることがままあるらしい。

ちなみに、谷口の制作における支配力の強さとスタッフ・キャストの精力的な仕事っぷりから、「谷口監督がギアスをかけて働かせている」との噂も絶えない。

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*1 ただし、視聴者が自らの判断でそのように解釈することは否定しない。視聴者の自由な解釈を阻むような制作段階での決めつけを嫌うのである。
*2 もっとも、最初にCLAMP起用を提案したのはプロデューサーの河口佳高である。実際の依頼も河口が行なっており、CLAMPとの接点がなかったため、人づてに直筆の手紙を送ることで依頼したという。